2012.03.31 (Sat) OA

新年度、平成24年度となり、新生活などで暮らしに
変化がある方も多いのではないかと思います。

この平成24年度から変化するものの一つに新学習指導要領での
小学校の「エネルギー教育」の取り組み方に変化が出てきます。
そこで今回は、エネルギー教育を通じて、様々なことに
取り組んでいる小学校にスポットを当てていきます。

今回、広島県呉市立長迫小学校のエネルギー教育の取り組みを
紹介します。
長迫小学校では数年前からエネルギー教育を実践していて、
H20年6月にエネルギー教育について特色ある先進的な
取り組みを行う経済産業省のエネルギー教育実践校に選定。
H21年11月にはエネルギー教育賞優秀賞(日本電気協会)を
受賞したりしているんですね。

では、広島県呉市立長迫小学校 寺田満穂校長に
エネルギー教育の取り組みの内容について伺ってます。

エネルギー教育の取り組み
キーワードとして、「ダイナミックな」「楽しい」「学びを生活に生かす」それから、「表現する・発信する」という、その4つを大きなキーワードとして取り組んできています。ですから、各担任が、子どもたちが喜んで楽しんで活動してくれるだろうなと思うような内容を授業構成しています。そんな中で今年度だと、「秋を味わうエコクッキング」ということで、どんぐりをテーマに、どんぐりの成長を通して、地球温暖化に繋げていきながら、さらにエコクッキングというところへいったことがありますし、4年生の方は、ゴミ問題からスタートして、これはまー社会科からスタートしてますけれども、たくさんの不要物をどうしようかと考えて、自分たちで省エネ活動を通して、ポイント制で貯めてきたエネルギー貯金というものを使って、自分たちで全部計画をしてフリマを開きましたし、6年生の方は船というところに視点を当てて、これは呉が造船の町ということもありまして、今年は地域に目を向けようという思いが強くて、「長迫造船所へようこそ」という単元を組んで、船がどんなエネルギーで動いていくのか、まー鉄が浮くわけですから、小さな船を造りながら学習を展開していきました。プールで進水式をしましたけれども、上手く船が進んだときは大歓声でとても楽しかったかなと思います。いうようなことをやってます。

楽しくエネルギーについて学んでいるようですね。
エネルギー貯金という言葉が出てきましたが、これは、
いらない電気を消すと10ポイント。給食を残さず食べると、
これは焼却の時のエネルギーを使わないで済むということから、
これも10ポイント。
鉛筆をきちんと全部使い切ったとか、いらないものを買うのを、「これはいらないものだ」と思って我慢したから5ポイントとか
そういう自分たちでポイントを決めてポイントを貯めていって
エネルギー貯金という形にしていって、
フリーマーケットなどで使えるポイントにしたそうです。

ドングリでエコクッキングとか、フリマや造船について
勉強できるって楽しそうですね。
では、長迫小学校での、このエネルギー教育、どんな狙いが
あるのでしょうか?
   
その狙いは?
エネルギー教育そのものは、持続可能な社会の構築ということを掲げていますけれども、本校では、小学生がエネルギー教育をしていくわけですから、実際に自分の生活でどういう行動ができるか、それを考えさせながら、実際に行動していく、で大きく言えば主なものは省エネ活動、それから「もったいない」という意識を持って、水とか、フリマのような家庭で眠っているものをいかに活用するか、そうようなことに繋げていって、自分たちが実際に行動しているんだ、活動しているんだ、これは自分たちがこれから生きていく地球を守っていくことに繋がるんだというような意識へ繋げていくことができればなと思っています。「エネルギー教育」といったときに、まだ広くその内容が持続可能な社会の構築であるということと繋がる方というのは少ないんじゃないかなと思います。ですから、エネルギー教育というのは理科で扱うエネルギーと直結される方が多いだろうなと思いますね。それを踏まえて、私たちがいかに生きていくか。日本のエネルギーの自給率4%ですから、あとは外国に頼ってるわけですから、そこらも踏まえて、自分たちの生活を見直し、自分たちの行き方をどうしていくかというところが、エネルギー教育の最終的なところかなと思います。


長迫小学校では、1・2年生は生活科、3年生以上は
総合的な学習の時間の中で、その時間の大半を使って
エネルギー教育に取り組んでいるそうです。
その一環で、いろいろな出前授業や社会見学、学習発表なども
行っているそうで「理科」という単元だけじゃなくて、
「社会」や総合的なものにつながっていく、
本当に特色があるというか、まさに「学びを生活に活かす」と
いう意味では生活に直結したものになっているのでは
ないでしょうか。

では、実際に児童の反応はどうなんでしょうか?伺っています。

児童の反応は?
楽しんでやってくれていると思います。今年度は3年生が夏を涼しく過ごそうということで一体どうしようか?省エネ生活を進めていく上でどうしようか?ということで、たくさんのうちわを作ってみなさんに配ろうという活動をしました。子どもたちは省エネ活動を呼びかけると同時に、うちわを作るという活動を通して、自分たちでデザインをして、実際に印刷会社にお願いしてきちんとしたうちわを作って、さらにそれを自分たちの手で配って、省エネを呼びかけるというとっても生き生きとした楽しい活動になったと思います。子どもたちは、自分たちがしていることに誇りを持っているんじゃないかなというような表情でしたね。


エネルギーを通じて、総合的なことが学べる、
この子供たちが担っていく次の世代は、どんなエネルギーを
どのように使うのか、これまで以上に選択を迫られるでしょう。
そのためにエネルギーの基礎的な知識を身につけるのは
大切なことですね。

さて、今回は「エネルギー教育」についてみていきました。

平成24年度の新学習指導要領でのエネルギーの扱い方に
ちょっと変化があります。
これは理科の面でより大きく変わったというとこなんですが、
エネルギーについては、以前は学年によっては
全く扱わない学年があったけれども、今度は小学校で言えば
3年生から6年生まで全ての学年で、理科のどこかで
エネルギーについての学習が入ってくるそうです。
それから中学校へもそれが繋がって、より系統的になって
学習が進められる。
つまり、小学校ではエネルギー教育の基礎部分になる理科的な
基礎知識が教えられるそうです。

そういった意味では今回紹介した長迫小学校のように
理科の知識の部分だけではない、
エネルギーを大事にしていくということに繋がる
エネルギー教育、
より、実践的な知識を活かす教育というのは、
やっている方も楽しそうですし、大事なことですよね。